北寺町
北寺町の「宮宿」北寺町には、今では文献でしか見ることが出来ない歳徳神の大宮を二階に安置する屋台と呼んでいる「宮宿」が唯一現存しています。
「宮宿」は現在の鼕台の原型と言われており、平成 26 年 1 月、松江市の有形民俗文化財の指定を受け、同年松江鼕伝承館廻りで「宮宿」を組立て、南北両寺町の鼕台と松江市の鼕台を並べて松江市鼕行列保存会主催による「鼕と宮のまつり」を開催し、文化財指定をお祝いしました。
北寺町の鼕と叩き方 北寺町の鼕台は、直径 1.65m の鼕を二基積んだ切り妻屋根の鼕台です。
昭和 34 年、現天皇ご成婚記念の年に、当時は珍しい鉄骨造の鼕台を新調しましたが、平成 11 年、鉄骨の骨組みを土台とした桧の寄木張り細工を基調とした鼕台に大改修し現在に至っています。
従って、柱も太く重量感溢れる鼕台で鼕も大きいため 9 ~ 10 人の打手で叩ける勇壮さが特徴の鼕台です。
鼕の叩き方は、従来男性だけの「ミタ」を主流とした叩き方であったが、20 年前より女性だけで叩く集団を編成し、以来、男性の叩き手と女性の叩き手の各々 9 ~ 10 人ずつが交代で鼕を叩き行列を行えるまでに女性の参加人数が増えてきています。
加えて、曲目も「ミタ」「シャギリ」に、小バチを入れた「シャギリ」や早打ちを加え、現在では組曲として披露しています。
鼕行列の継承とコラボ体制づくり 現在、同じ曲目の打ち方で共演し合える町内同士が協力し合い、各々の町内の鼕行列参加年に協力し合って鼕行列に参加できる体制づくりを、模索しているところです。
18 年ほど前からは、島根大学漕艇部の支援を得て、毎年新入生を交えながら鼕打ちの練習を積み重ね、本番の鼕行列に参加しない年でも前夜祭 (宵宮) には欠かすことなく毎年参加し、町内若者人口の衰退に反比例するがごとく鼕の「継承と伝統」を守っています。
平成 20 年の鼕行列参加の時には、引手として持田地区の子供達の協力を得て行列に参加しました。
近年、老齢化と人口のド - ナツ化による町内人口減少の波に、町内から子供が消え、引手を集める事に苦労をしている多くの町内を見るにつれ、鼕行列が松江市の伝統文化であるならば、広く全松江市の町内や小学校に目を向け、鼕を持っている町内との交流をかわし、引手として参加することにより将来の鼕の叩き手となり、鼕行列に対する注目の眼も生まれ、鼕行列の維持発展に繋がること期待し、前述の持田地区からの協力体制づくりとなった次第です。
北寺町鼕保存会の演技参加 松江の観光資源の一翼を担う鼕行列の宣伝と絆や交流を目的とし、平成 19 年には鳥取市と松江市との交流の中で、鳥取市での「しゃんしゃん祭」に松江市鼕行列保存会の代表として、北寺町鼕保存会が松江市の鼕台を駆って、鳥取市の目抜き通りを行列しました。
平成 26 年には、建築士会全国大会が「くにびきメッセ」を主会場として開催された折、前述の松江市有形民俗文化財に指定された「宮宿」を、主会場で組み立てる様を「ものづくり社会」のテ - マに会わせ、全国からの来場者に見て頂きました。同時に松江市の鼕台を「宮宿」展示場付近に運び、北寺町鼕保存会による鼕打ち演技を披露し、来場者には鼕打ち体験を体感してもらう等の機会を得た次第です。
松江水郷祭時には、松江鼕伝承館廻りの賑わいの応援に鼕を出し、鼕打ち体験を催しています。
松江駅付近開催の JR ・駅本通り商店会等による「元気まつり」にも毎年のごとく鼕打ちによる参加を行い楽しんでいます。
鼕打ちしてみたい人、初心者を広く募集していますよ。